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特集 サイコネフロロジー:透析・移植
CKD医療の選択(患者,家族,医療者の心理も含めて)
腎代替療法選択の実際
The decision making of renal replacement therapy:Fussa metod
中林 巌
1
,
植木 博子
2
,
濱 耕一郎
1
NAKABAYASHI Iwao
1
,
UEKI Hiroko
2
,
HAMA Koichiro
1
1公立福生病院腎臓病総合医療センター
2公立福生病院看護部
キーワード:
腎代替療法選択
,
共同意思決定支援(SDM)
,
チーム医療
Keyword:
腎代替療法選択
,
共同意思決定支援(SDM)
,
チーム医療
pp.357-361
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001242
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はじめに
腎不全医療における代替療法選択の意義が近年ますますその重要性を増してきており,2021年には腎代替療法専門指導士制度も発足し,活動が展開されている。筆者らはその療法選択について,患者の意思決定支援といった観点から見直し,これまで改良を重ねてきた。療法選択の重要性は,根治療法が今もって提供できない腎不全医療の特徴に由来していると考えられる。腎不全の主たる原疾患が慢性腎炎で,青壮年期の患者が多かった時代では,医師主導で代替療法を選択することに対して問題は顕在化しなかった。しかし,現在増加している高齢者の腎不全においては,糖尿病関連腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)と同様に加齢に伴う他臓器合併症を有し,独居や老々介護,家族のストレスなどの社会的問題が大きい。認知症やフレイルなどの老年医学的な課題も有し,生活の質(QOL)を維持向上しながら透析生活を営み続けることは非常にハードルが高い。結果,生命予後の劇的な改善は得られず,以前のような多くの透析患者にとって害より益が大きい療法であるとは言いにくくなってきている1,2)。
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