CKD患者の栄養学（たんぱく質の質）

Nutrition management in CKD patients focused on protein quality

はじめに

　腎臓領域は臨床栄養学のなかでもがん，糖尿病と並んで大きな専門領域の1つであるが，それは慢性糸球体腎炎に対するたんぱく質摂取制限という大きなドグマがあった過去のものといえる。しかしほとんどの患者がサルコペニア・フレイルを合併する慢性腎臓病（chronic kidney disease：CKD）の現代には，たんぱく質は適切に摂取すべきものという新たな位置づけが必要である。その意味で，筆者らの領域におけるたんぱく質の重要性は引き続き存在すると考えてよい。まずは摂取量の確保が第一であるが，それでも同じ摂取するなら効率よく摂取することが望ましい。たんぱく質の質について概説する。