Japanese
English
特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅴ.AKI
5.心臓手術におけるAKI
Cardiac srgery-associated acute kidney injury
脇野 修
1
Wakino Shu
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部腎臓内科学分野
キーワード:
acute kidney injury
,
バイオマーカー
,
acute kidney disease
,
AKI care bundle
,
RIPC
Keyword:
acute kidney injury
,
バイオマーカー
,
acute kidney disease
,
AKI care bundle
,
RIPC
pp.361-366
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001057
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1 病因・病態
心臓手術後の急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は,cardiac surgery-associated acute kidney injury (CSA-AKI)と総称されて,術後の脂肪率にも関与する重要な合併症に位置づけられている。CSA-AKIの発症についてはさまざまな機序が想定されており,それに応じて危険因子が提唱されている。それらは非心臓手術でも想定されるものであるが,心臓手術では,人工心肺(cardiopulmonary bypass:CPB)の使用という体外循環使用による独特のものが存在する1)(図1)。ただし,CPBの使用に関して,on-pumpとoff-pumpの術後の成績について早期から論じられ,2012年時点でのCochraneのメタアナリシスでは冠動脈バイパス(coronary artery bypass grafting:CABG)術ではoff-pump(CPB不使用)の優位性は認められていなかった2)。しかしながら,技術の向上などで若年の患者においてはCSA-AKIに関してはoff-pumpのほうが有意に抑制する可能性が指摘されている。
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