Japanese
English
特集 急性腎障害(AKI)
総論
AKIの病理
Renal pathology:acute kidney injury
竹内 和博
1
,
清水 章
1
TAKEUCHI Kazuhiro
1
,
SHIMIZU Akira
1
1日本医科大学解析人体病理学
キーワード:
acute kidney injury
,
腎生検病理診断
,
糸球体性AKI
,
尿細管・間質性AKI
,
血管性AKI
Keyword:
acute kidney injury
,
腎生検病理診断
,
糸球体性AKI
,
尿細管・間質性AKI
,
血管性AKI
pp.27-33
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000576
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Ⅰ AKIにおける腎生検の有用性と適応
急性腎障害(acute kidney injury:AKI)には,軽微な腎機能の変化から,腎代替療法を必要とする重症の腎障害まで,急性に発症するすべての腎障害が含まれる。病態の理解や治療選択,予後推定のためには,AKIの原因を特定することが重要である1)。AKIの原因は,腎前性,腎性および腎後性に大きく分類され,特に腎性AKIの原因の確定には腎生検が有用である。しかし,脱水などによる腎前性AKIが高度の場合には,尿細管障害による腎性のAKIに移行するように,それぞれの原因は相互に関連し,また腎前性と腎性の病態はオーバーラップし,それぞれの原因が共存する場合も多い。また,腎性AKIでも,糸球体性,尿細管・間質性,血管性によるAKIが,それぞれ単独に,また共存しながら進展する。腎臓内で進展しているこれらの複雑な原因や病態を腎生検標本内で注意深く観察し,それらの共存や関連性を含めて,腎生検病理診断を行う必要がある。
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