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特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅳ.全身性疾患に伴う腎障害
20.志賀毒素産生性腸管出血性大腸菌関連溶血性尿毒症症候群(HUS)
Shiga toxin-producing Escherichia coli associated hemolytic uremic syndrome(STEC-HUS)
芦田 明
1
Ashida Akira
1
1大阪医科薬科大学小児科
キーワード:
血栓性微小血管症
,
志賀毒素
,
腸管出血性大腸菌感染症
Keyword:
血栓性微小血管症
,
志賀毒素
,
腸管出血性大腸菌感染症
pp.283-287
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001041
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1 病因・病態
溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome:HUS)は,1955年von Gasserらにより5例のCase seriesとして最初の報告がなされたが1),1983年,胃腸炎のアウトブレイクで発症した患者便中から血清型O157の大腸菌が検出され2),また,HUS孤発例の便中からベロ毒素およびベロ毒素産生性の大腸菌が検出された3)。このベロ毒素は赤痢菌が産生する志賀毒素と免疫学的な共通性から,志賀毒素(Siga toxin:Stx)と呼称されるようになり,HUSの病因の1つとして,志賀毒素産生性腸管出血性大腸菌感染症が確立し,志賀毒素産生性腸管出血性大腸菌関連HUS(Shiga toxin-producing Escherichia coli associated HUS:STEC-HUS)という疾患概念が確立した。
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