綜説
ゲノムからみた腸管出血性大腸菌
中村 佳司
1
,
西田 留梨子
1,2
,
小椋 義俊
1
,
林 哲也
1
1九州大学大学院医学研究院細菌学分野
2九州大学大学院医学研究院病態修復内科学
キーワード:
腸管出血性大腸菌
,
ゲノム解析
,
高精度系統解析
,
志賀毒素
Keyword:
腸管出血性大腸菌
,
ゲノム解析
,
高精度系統解析
,
志賀毒素
pp.145-152
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000761
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腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic Esherichia coli:EHEC)は,とくに小児において生死にかかわる重篤な感染症を引き起こす.EHECとしてはO157が代表的であるが,それ以外の血清型も重要である.次世代シーケンサを活用したEHECの大規模なゲノム解析から,各血清型の遺伝的多様性の詳細や,Stx2ファージのゲノム多様性とStx2産生量の関連,高病原性株の出現などに関してさまざまな知見が集積しつつある.本稿では,われわれの研究成果を中心に,大規模ゲノム解析から得られたO157,O26,O145,O121に関する最近の知見を紹介する.
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