Japanese
English
特集 急性腎障害(AKI)
総論
AKIバイオマーカー
AKI biomarker
土井 研人
1
DOI Kent
1
1東京大学大学院医学系研究科救急・集中治療医学
キーワード:
早期診断
,
尿細管上皮細胞障害
,
腎前性AKI
Keyword:
早期診断
,
尿細管上皮細胞障害
,
腎前性AKI
pp.23-26
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000575
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はじめに
最初の国際的統一診断基準であるRIFLE(Risk,Injury,Failure,Loss of kidney function,and End-stage kidney disease)基準が2004年に発表され1),次いで急性腎不全(acute renal failure:ARF)として認識されていた病態を急性腎障害(acute kidney injury:AKI)と新たに呼び換えることが提案された。ARFとAKIは,ともに急激な腎機能の低下により生体の恒常性が維持できなくなる病態であることは共通しているが,AKIはより早期からの腎組織の損傷を含めること,ほかの臓器不全と並存して発症することが多いことがARFとの違いであると強調された。また,医療技術の進歩と超高齢社会の到来とともに,かつてはICUでの集中治療の対象とならなかった症例が高度かつ侵襲的な治療の適応となり,急激な腎障害を呈するようになった。このような病態がAKIと認識され,ほかの臓器不全(心不全・呼吸不全・肝不全・血液学的異常など)とともに重要な予後規定因子であることも数多く報告されていることから,腎臓内科医以外の医師および他職種の関心を集めることとなった。
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