Japanese
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増刊号 腎代替療法のすべて
【第9章 透析患者の合併症】
20 感染症(細菌,真菌)
Infections(bacterial, fungal)
吉藤 歩
1
,
竜崎 崇和
1
Yoshifuji Ayumi
1
,
Ryuzaki Munekazu
1
1東京都済生会中央病院腎臓内科
キーワード:
免疫不全
,
重症化
Keyword:
免疫不全
,
重症化
pp.544-548
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000497
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はじめに
末期腎不全にて慢性透析療法を受けている患者数は2020年末の統計で347,671人である。透析患者の合併症として,感染症は死亡原因の21.5%を占め,心不全に続いて死亡原因の第2位である1)。透析患者は好中球,単球,マクロファージなどの食細胞機能低下,Tリンパ球やBリンパ球などの異常により免疫不全の状態となり,食事制限による低栄養状態,貧血,代謝性アシドーシス,原疾患としての糖尿病,免疫抑制薬の使用,皮膚バリアの障害,透析膜による白血球や補体の機能低下などの要因により,感染をきたし,重症化しやすい2)。透析患者における感染症は罹患率も高く,死亡率も高いため,早期の診断と治療に結びつけられるように,細菌感染症および真菌感染症にわけ,概説したい。
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