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増刊号 腎代替療法のすべて
【第9章 透析患者の合併症】
21 腎・尿路感染症:ADPKD患者の囊胞感染を含めて
Complications of dialysis patients Renal and urinary tract infections:including cystic infections in ADPKD patients
坂本 昇
1
,
古賀 祥嗣
1
Sakamoto Noboru
1
,
Koga Shoji
1
1社会福祉法人仁生社江戸川病院 泌尿器科
キーワード:
慢性腎不全
,
尿路感染症
,
抗菌薬治療
,
侵襲的治療
Keyword:
慢性腎不全
,
尿路感染症
,
抗菌薬治療
,
侵襲的治療
pp.549-552
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000498
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はじめに
わが国における慢性透析患者は2020年末に347,671人を数えるまでに至った。性別の内訳は男性222,510人,女性114,249人で,男性が2/3を占めている。平均年齢は69.40歳であった。平均年齢は年々増加傾向を示しており,最も割合が高い年齢層は男女とも70~74歳である。2012年から65歳未満の患者数は減少が始まっており,2017年からは70歳未満の患者数が減少するようになった。いい換えると,現在,わが国では70歳以上の患者数の増加によって全体の慢性透析患者数が増加している。2020年末時点の慢性透析患者の原疾患で最も多いのは糖尿病性腎症の39.5%であった。次いで多いのが,慢性糸球体腎炎の25.3%,腎硬化症の12.1%であった1)。以上のことから,高齢男性に多い下部尿路感染に関する理解と,糖尿病患者の易感染性および重症化しやすい点への配慮の2つが透析患者の尿路感染症を扱ううえでのポイントとなるといえよう。
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