巻頭言
小児腎臓病医としての35年
大友 義之
1
1順天堂大学医学部附属練馬病院 小児科
pp.153-154
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000251
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
私は,1987年3月に順天堂大学医学部を卒業した。大学6年の10月まで臨床実習があり,卒業試験の結果が年末に判明し,翌年4月に医師国家試験を受け,6月から研修医としての勤務がはじまった。今のような初期臨床研修制度はなく,小児科はストレート入局だった。大学6年の腎臓内科の実習は夏休み直前で,初発のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の高校生の担当となった。主治医の「貴重な症例だから,(夏休み中も)毎日病棟に来なさい」との言葉に素直に従い,(X線室で経静脈腎盂造影の透視下で行う)腎生検,生検組織の蛍光染色,電子顕微鏡の撮影,腎病理のカンファレンス,連続携行式腹膜透析(CAPD)や血液透析(HD)の導入と日々の治療など,毎日のように親切に指導いただいた。その後,小児科実習では重症の紫斑病性腎炎の児の担当となり,学生なりに多くのことを学んだ。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.