特集 小児の鉄代謝
3.小児の慢性腎臓病と鉄代謝
三浦 健一郎
1
,
服部 元史
1
1東京女子医科大学腎臓小児科
pp.836-839
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003137
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慢性腎臓病において貧血は高頻度にみられる合併症である.その原因としてエリスロポエチンの産生低下と鉄代謝異常が重要であり,後者には絶対的鉄欠乏と機能的鉄欠乏がある.機能的鉄欠乏にはヘプシジンの誘導による鉄利用障害が大きく関与し,赤血球造血刺激因子製剤の抵抗性に関連している.鉄代謝異常の評価にはトランスフェリン飽和度と血清フェリチン値が用いられ,これに基づいて適切な鉄補充を行う必要がある.鉄代謝異常の改善という観点からも,小児における低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬の知見の集積が望まれる.
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