ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群・巣状分節性糸球体硬化症と遺伝子異常

Genetic factors underlying steroid resistant nephrotic syndrome and focal segmental glomerulosclerosis

はじめに

　巣状分節性糸球体硬化症（FSGS）は，臨床的にはステロイド抵抗性ネフローゼ症候群（SRNS）と重複する部分が大きい。SRNS/FSGSの根本的な病態は糸球体上皮細胞（ポドサイト）障害であり，その原因により原発性FSGS（primary FSGS，一次性FSGSとも表記される）とそれ以外（二次性FSGS）の大きく2つに分類される^1～3）（表1）。