特集 腎・泌尿器疾患―血尿から移植まで
病因研究・遺伝子診断の進歩
巣状分節性糸球体硬化症/ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群(FSGS/SRNS)
張田 豊
1
HARITA Yutaka
1
1東京大学医学部小児科
pp.1192-1196
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001020
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はじめに
巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は,臨床的にはステロイド抵抗性ネフローゼ症候群(SRNS)と重複する部分が大きい。FSGS/SRNSの根本的な病態は糸球体上皮細胞(ポドサイト)障害である。原因によりさまざまな分類が可能であるが,一般には原発性(primary)FSGS(一次性あるいは特発性FSGSとも表記される)とそれ以外(二次性FSGS)の大きく2つに分けて理解されてきた(表1)1~3)。二次性FSGSは遺伝子異常,感染症,薬剤,毒素,あるいは糸球体の血行動態の変化などにより生じる上皮細胞の構造的・機能的変化を原因とする。
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