Japanese
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特集 ネフローゼ症候群update
【診断と治療】
治療アルゴリズム 成人の巣状分節性糸球体硬化症
Treatment algorithm for focal segmental glomerulosclerosis
西川 雄大
1
,
髙橋 直生
1
,
岩野 正之
1
NISHIKAWA Yudai
1
,
TAKAHASHI Naoki
1
,
IWANO Masayuki
1
1福井大学医学系部門 腎臓病態内科学分野
キーワード:
FSGS
,
免疫抑制薬
,
完全寛解
,
腎予後
Keyword:
FSGS
,
免疫抑制薬
,
完全寛解
,
腎予後
pp.733-738
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000145
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はじめに
巣状分節性糸球体硬化症(focal segmental glomerulosclerosis:FSGS)は,元来一部の糸球体に(巣状)分節性硬化病変を認める疾患群である。FSGSの病因は一次性,二次性,遺伝性に分類でき,病因を明らかにすることは適切な治療を決定するうえで重要である。一次性FSGSでは,発症時は微小変化型ネフローゼ症候群(minimal change nephrotic syndrome:MCNS/minimal change disease:MCD)と同じ経過をとるが,蛋白選択性が低いなどの特徴をもち,ステロイド抵抗性の臨床経過を呈することが多い。ステロイドを中心にした免疫抑制薬による薬物治療と,ナトリウム・蛋白制限,血圧コントロール,レニン-アンジオテンシン系阻害薬による蛋白尿減少などの支持療法を組み合わせ,蛋白尿の完全寛解(0.3g/日未満)を目標に治療を行う。寛解が得られた患者は腎予後がよいことが示されており,適切な治療介入による蛋白尿減少は腎生存率の観点からも重要である。
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