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特集 ネフローゼ症候群update
【成因・病態】
微小変化型ネフローゼ症候群・巣状分節性糸球体硬化症の疾患概念と病理
Entity and histopathology of MCD/FSGS
尾関 貴哉
1
OZEKI Takaya
1
1ミシガン大学 腎臓内科
キーワード:
腎病理
,
病型分類
,
病因分類
Keyword:
腎病理
,
病型分類
,
病因分類
pp.677-684
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000135
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はじめに
微小変化型ネフローゼ症候群(minimal change disease:MCDまたはminimal change nephrotic syndrome:MCNS,本稿ではMCDとして記載する),巣状分節性糸球体硬化症(focal segmental glomerulosclerosis:FSGS)はネフローゼ症候群の代表的疾患だが,いずれも病因が解明されていないため,光学顕微鏡所見における糸球体障害のパターンがそのまま疾患名として定着している。当初FSGSはステロイド抵抗性ネフローゼ症候群を指す臨床病理学的な疾患名とされ,ステロイド感受性を想定するMCDとは区別されてきた。しかし,病型を基礎とするこれらの疾患分類と実際の臨床経過の間には必ずしも対応関係はなく,治療反応性良好だが病理所見上はFSGSと診断される症例や,治療抵抗性だが病理所見上はMCDと診断せざるをえない症例もある。
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