特集 紹介医に伝えたい「腎炎・ネフローゼ症候群」 ―3歳児検尿・学校検尿のその先は?―
Ⅱ.各論:腎炎・ネフローゼ症候群の専門診療
巣状分節性糸球体硬化症
安藤 太郎
1
,
三浦 健一郎
1
,
服部 元史
1
1東京女子医科大学腎臓小児科
キーワード:
巣状分節性糸球体硬化症
,
ネフローゼ症候群
,
蛋白尿
,
次世代シークエンサー
,
抗nephrin抗体
Keyword:
巣状分節性糸球体硬化症
,
ネフローゼ症候群
,
蛋白尿
,
次世代シークエンサー
,
抗nephrin抗体
pp.699-704
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001051
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SUMMARY
▷巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は臨床的にはステロイド抵抗性ネフローゼ症候群を呈することが多く,病理組織で巣状に糸球体の分節性硬化像をみとめる疾患に対する臨床病理学的診断名であり,病因により一次性,二次性,遺伝性に分類される.
▷次世代シークエンサーの進歩により,ポドサイト関連タンパクを中心に80種類以上の原因遺伝子が同定されてきている.
▷免疫抑制治療に反応しない場合は末期腎不全に進行する可能性が高い.また,一次性FSGSは腎移植後に高率に再発する.
▷一次性FSGSの原因として抗nephrin抗体が注目されており,有用な治療標的となることが期待される.
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