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特集 大腸腫瘍に対する外来内視鏡治療を極める
[外来での通電切除]
【Topics】当施設におけるUnderwater EMR
How we perform “underwater EMR” in our institute
平井 悠一郎
1
,
豊嶋 直也
1
,
高丸 博之
1
,
斎藤 豊
1
Yuichiro Hirai
1
,
Naoya Toyoshima
1
,
Hiroyuki Takamaru
1
,
Yutaka Saito
1
1国立がん研究センター中央病院内視鏡科
キーワード:
underwater EMR
,
underwater with inject EMR
,
早期大腸癌
Keyword:
underwater EMR
,
underwater with inject EMR
,
早期大腸癌
pp.1429-1432
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000924
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はじめに
Underwater EMR(UEMR)は,粘膜下局注を行わずに病変を切除するため,その手技の簡便性から従来のEMR(conventional EMR:CEMR)に代わる治療法として期待され,欧米を中心に広く普及し日常臨床で施行されている1)。本邦から報告された10~20mm大の大腸ポリープを対象とした多施設共同ランダム化比較試験においても,UEMRはCEMRと比べて高い一括切除割合,R0切除割合を示している2)。一方で,T1癌(T1b癌を含む)を対象とした場合には垂直断端陽性率が約20%であるとの報告もある3)。腺腫からTis癌を対象に施行するのであればUEMRで十分であると考えられるが,Tis癌とT1a癌の鑑別は困難であることや,平坦型病変では浸水下にしただけでは病変の浮遊感を感じにくい症例もある。そこで当院ではそのような病変に対しても,より確実にR0切除を目指すことができる治療法としてunderwater with inject EMR(UIEMR)を考案し,積極的に行っている4, 5)。UIEMRは,管腔内を水で満たした状態で,粘膜下層に局注を行ったあとに病変をスネアで絞扼して通電切除する,UEMRとCEMRを組み合わせた方法である。本稿では,UIEMRの概要について紹介する。
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