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特集 症例から学ぶ大腸ESD―失敗しないためのKnacks & Tips―
[各論 ESD以外で対応可能であった症例]
SSL 3cm without dysplasia,どう治療する? 分割でも許容できる?―Underwater EMRのKnacks & Tips
So-called “underwater EMR”
髙田 和典
1
,
堀田 欣一
1
,
今井 健一郎
1
Kazunori Takada
1
,
Kinichi Hotta
1
,
Kenichiro Imai
1
1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科
キーワード:
sessile serrated lesion
,
underwater EMR
,
酢酸
Keyword:
sessile serrated lesion
,
underwater EMR
,
酢酸
pp.1743-1744
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000514
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Ⅰ.3cm前後のSSL without dysplasiaに対してUEMRは適用可能か
本邦では,20mmを超える大腸病変に対して一括切除を企図したESDが広く普及しているが,術前に悪性を示唆する所見のないsessile serrated lesion(SSL without dysplasia)に対するESDは益と害のバランス,保険適用の点で問題となりうることから,代替する治療法としてスネアを用いた切除が選択肢の一つとなる。近年,20~40mmの大型大腸病変を対象としたランダム化比較試験において,underwater EMR(UEMR)は従来のEMRに比べ高い一括切除割合,断端陰性切除割合を示し,8割近くの病変がUEMRで2分割以内に切除されていた。また,30~40mmの病変においては局所再発が有意に低率であった1)。UEMRは局注を行わない分,切除範囲が大きくならず大型病変でも一括切除が狙えるうえ,分割となった場合もおおむね2分割で切除可能で,粘膜下層が十分採取されるため,万が一dysplasiaを伴っていた場合でも正確な病理評価が期待できる。以上より,3cm前後のSSL without dysplasiaに対して,UEMRは適用可能と考える。
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