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特集 大腸腫瘍に対する外来内視鏡治療を極める
[外来での通電切除]
【Column】“Underwater EMR”:用語の問題点―EMRの歴史と用語の変遷もふまえて―
Is the terminology of “underwater EMR” appropriate? Looking back on the long way the technique and term of EMR has come
樫田 博史
1
Hiroshi Kashida
1
1近畿大学医学部消化器内科
キーワード:
EMR
,
ESD
,
underwater法
Keyword:
EMR
,
ESD
,
underwater法
pp.1433-1435
発行日 2023年10月25日
Published Date 2023/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000925
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はじめに
消化管腫瘍に対し,浸水下で局注せずにスネアに通電して切除する方法が考案され,“underwater EMR(UEMR)” と名付けられた1)。まことに目から鱗の画期的な技術であると評価しているが,その通称に関しては常々疑問に思ってきた。なぜならば,日本消化器内視鏡学会による「消化器内視鏡用語集」2)に「病変底部粘膜下層内に生理的食塩水などをあらかじめ注入し,腫瘍を含む人工的な隆起を作り,スネアを用いて病変の基部を絞扼し,通常は高周波電流を通電して切断する術式」と記載され,同学会などによる大腸腫瘍ESD/EMRガイドライン3)には,「EMRは,経内視鏡的に生理食塩水あるいはヒアルロン酸ナトリウム溶液などを腫瘍の粘膜下層に局注し,スネアで病変を絞扼し高周波を用いて通電・切除する方法である」,大腸癌研究会による大腸癌治療ガイドライン4)にも「EMR:粘膜下層に生理食塩水などを局注して病巣を挙上させ,ポリペクトミーの手技により焼灼切除する方法」と明示されているからである。
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