連載 手技の解説
Underwater EMR を用いた大腸ポリープ切除法
古橋 広人
1
,
加藤 正之
1
,
炭山 和毅
1
1東京慈恵会医科大学内視鏡科
キーワード:
underwater EMR
,
大腸ポリープ
Keyword:
underwater EMR
,
大腸ポリープ
pp.1173-1177
発行日 2017年6月20日
Published Date 2017/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000067
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに 大腸腺腫に対する内視鏡的ポリープ切除術として,わが国では粘膜下層局注(submucosalinfection)を行ったうえで,高周波凝固装置を用いて通電して切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)を広く用いてきた.近年では,小型ポリープに対して,粘膜下層局注や通電を行わずに切除するcold polypectomy が普及しつつあるが,10 mm 以上の中・大型ポリープについては,cold polypectomy で完全に粘膜を離断することは難しく,EMR を施行することが多い.しかしながら,平坦型腫瘍に対して粘膜下層局注を行うと,正常粘膜と病変部の段差が消失することでスネアが滑り,病変を把持しにくい状況を経験する.内視鏡熟練者では,局注部位と局注量を的確に判断することができ,病変対側にpre‒cut を置きスネアの先端を固定する方法などの手段を講じることで病変を把持することができるが,内視鏡初学者には困難である.
Copyright © 2017, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.