特集 上部消化管腫瘍における先進的内視鏡治療の進歩
2 .注目される内視鏡治療の実際(5)十二指腸腫瘍に対するUnderwater EMR
山崎 泰史
1
,
上堂 文也
2
,
岩上 裕吉
2
,
神崎 洋光
1
,
竹内 洋司
2
,
岡田 裕之
1
1岡山大学病院消化器内科
2大阪国際がんセンター消化管内科
キーワード:
underwater EMR
,
十二指腸腫瘍
,
スネアリング
Keyword:
underwater EMR
,
十二指腸腫瘍
,
スネアリング
pp.61-66
発行日 2020年12月20日
Published Date 2020/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001640
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Underwater EMR (UEMR)のもっとも良い適応は,20 mm未満の非乳頭部十二指腸腺腫あるいは粘膜内癌である.20 mm未満の病変に対する一括切除割合は75%以上と高く,遺残再発割合も0~2.3%と低い.再発病変も基本的に小さいことが多く,再度の内視鏡治療で対応可能である.20 mm以上の病変(とくに腺腫)もUEMRの対象病変となるが,分割切除になる可能性があるため,適応は慎重に判断することが望ましい.病変径にかかわらず,UEMR後創部はクリップで完全縫縮を行う.縫縮後の出血割合は1.2~2.7%,遅発穿孔割合は0~0.6%であり,従来の方法と比較し,許容できる結果と考えられる.UEMRの実際の方法・コツに関して詳細を記載した.
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