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特集 内科と外科のコラボレーション手術の今
[大腸・肛門病変に対するコラボレーション手術]
直腸・肛門病変に対するコラボレーション手術―Pagetoid spreadを伴う直腸・肛門管癌に対するESD併用広範囲局所切除術
Cooperative surgery for anorectal lesions: wide local excision combined with ESD for anorectal cancer with pagetoid spread
平井 悠一郎
1
,
豊嶋 直也
1
,
久田 泉
1
,
牧口 茉衣
1
,
高丸 博之
1
,
坂本 琢
1,2
,
緒方 大
3
,
山崎 直也
3
,
斎藤 豊
1
Yuichiro Hirai
1
,
Naoya Toyoshima
1
,
Izumi Hisada
1
,
Mai Makiguchi
1
,
Hiroyuki Takamaru
1
,
Taku Sakamoto
1,2
,
Dai Ogata
3
,
Naoya Yamazaki
3
,
Yutaka Saito
1
1国立がん研究センター中央病院内視鏡科
2筑波大学医学医療系消化器内科
3国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科
キーワード:
Pagetoid spread
,
直腸・肛門管癌
,
ESD併用広範囲局所切除術
Keyword:
Pagetoid spread
,
直腸・肛門管癌
,
ESD併用広範囲局所切除術
pp.1622-1631
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001127
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はじめに
直腸・肛門管癌では,腺癌が経上皮性に連続して肛門周囲の表皮へ波及するpagetoid spreadまたは二次性Paget病という稀な病態を伴うことがある1)。Pagetoid spread を伴う直腸・肛門管癌の治療では,術前診断が粘膜内癌であっても根治性や手技的な観点から腹会陰式直腸切断術がしばしば選択される2)が,永久人工肛門の造設が必要となるため患者のQOL低下が懸念される。そこで,当院では粘膜下層への深部浸潤や遠隔転移を疑う所見が明らかでない場合に,内視鏡科と皮膚科合同で行う,ESDを併用した広範囲局所切除術(wide local excision:WLE)により肛門機能を温存する術式を試みている。本稿では,この手法について実際の治療手順や症例を交えて紹介する。
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