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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅲ. 陥凹を呈する病変
2. 上皮性・腫瘍性陥凹病変
早期胃癌(0-IIc, H.pylori現感染分化型腺癌)
Early cancer (Type 0-Ⅱc, differentiated adenocarcinoma associated with H.pylori infection)
横井 千寿
1
,
赤澤 直樹
1
,
柳井 優香
1
Chizu YOKOI
1
,
Naoko AKAZAWA
1
,
Yuka YANAI
1
1国立国際医療研究センター病院消化器内科
キーワード:
早期胃癌
,
陥凹型
,
H.pylori
Keyword:
早期胃癌
,
陥凹型
,
H.pylori
pp.218-219
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000425
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疾患の概要
0-Ⅱc(表面陥凹型)早期胃癌は,胃癌取扱い規約において「表面陥凹型:わずかなびらん,または粘膜の浅い陥凹が認められるもの」と定義され,もっとも頻度の高い肉眼型である。また,胃癌の組織型は分化型と未分化型に大別され,両者ともにHelicobacter pylori(H.pylori)感染の起こった炎症粘膜から発生し,H.pylori未感染粘膜から発生する頻度は1%以下とされており,早期胃癌では分化型癌が大部分を占める。慢性胃炎は炎症の所在によって,前庭部優勢胃炎,全体胃炎,体部優勢胃炎の3型に分けられ,体部優勢胃炎では萎縮性変化が胃体部に広がり,酸分泌が低下して胃潰瘍や分化型腺癌の発生母地となる。H.pyloriに対する除菌療法の保険適用が拡大されてH.pylori現感染分化型胃癌に遭遇する機会は減ってきているが,胃潰瘍を発症した高齢者や胃癌検診の生涯未受診者における内視鏡検査では注意が必要である。
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