Japanese
English
特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅰ. 隆起を呈する病変
2. 上皮性・腫瘍性隆起病変
B. 扁平隆起
早期胃癌(0-Ⅱa,分化型腺癌)
Early cancer (Type0-Ⅱa, differentiated adenocarcinoma)
平澤 欣吾
1
,
福地 剛英
1
,
佐藤 知子
1
Kingo HIRASAWA
1
,
Takehide FUKUCHI
1
,
Chiko SATO
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター内視鏡部
キーワード:
早期胃癌
,
隆起型
,
分化型
Keyword:
早期胃癌
,
隆起型
,
分化型
pp.80-81
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000362
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
疾患の概要
「胃癌取扱い規約 第15版」1)において,0-Ⅱa型は0型(表面型)の亜分類のなかに記載されており,「表面隆起型:表面型であるが,低い隆起が認められるもの」と記載されている。また,注釈として,「実際的には隆起の高さが2mm程度までのものを0-Ⅱa型とし,それを超えるものを0-Ⅰ型とする」とある。0-Ⅱaを含む隆起型早期胃癌のほとんどが,組織学的に分化型癌(tub1,tub2,pap)とされている。分化型癌は正常腺の構造を模倣しながら連続的・膨張的(または圧出性)に粘膜内を進展するため,周囲粘膜との境界は明瞭で,顆粒状,乳頭状,分葉・脳回状の表面性状を呈する。色調は一様に褐色から黄褐色調を呈するが,これは腫瘍間質の豊富な血管・血流の存在と癌腺管の連続性進展を反映している2)。0-Ⅱa型早期癌の分化型癌の割合は約90%とされているため,ほとんどの症例で分化型癌の内視鏡診断学が適応される。一方で,少ないながら約10%(粘膜内癌ではその半分の約5%)に未分化・低分化型腺癌が含まれていることも忘れてはならない3)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.