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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅲ. 陥凹を呈する病変
2. 上皮性・腫瘍性陥凹病変
早期胃癌(0-IIc, 除菌後分化型腺癌)
Early cancer (Type 0-Ⅱc, differentiated adenocarcinoma after H.pylori eradication)
小林 正明
1
,
高橋 祥史
1
,
渡邉 玄
2
Masaaki KOBAYASHI
1
,
Yoshifumi TAKAHASHI
1
,
Gen WATANABE
2
1新潟県立がんセンター新潟病院内科
2新潟県立がんセンター新潟病院病理診断科
キーワード:
H. pylori除菌治療
,
胃炎類似所見
,
地図状発赤
Keyword:
H. pylori除菌治療
,
胃炎類似所見
,
地図状発赤
pp.220-221
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000426
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疾患の概要
Helicobacter pylori(H.pylori)除菌治療は,2013年よりH.pylori感染胃炎にも保険適用が拡大された。治療例の増加,蓄積に伴って,除菌後の経過観察中に早期胃癌を診断する機会が増加している。除菌後胃癌は10mm前後の分化型粘膜内癌で発見され,発赤調,陥凹型の内視鏡像を示す病変が多い。除菌から短期間(3~5年以内)での発見が多く,発育速度を考慮すると除菌前からすでに存在し,遅れて発見された病変が多いと考えられる。除菌の修飾により,表層低異型度上皮が出現した場合,胃炎に類似するため診断が難しいことがあり注意を要する。除菌後に出現する地図状発赤との鑑別には,画像強調拡大観察が有用である。
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