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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅰ. 隆起を呈する病変
3. 非上皮性隆起病変
A. 腫瘍性非上皮性病変
胃GIST(消化管間質腫瘍)
Gastrointestinal stromal tumor:GIST
岩下 ちひろ
1
,
金丸 理人
2
,
坂口 美織
3
Chihiro IWASHITA
1
,
Rihito KANAMARU
2
,
Mio SAKAGUCHI
3
1自治医科大学内科学講座消化器内科部門
2自治医科大学外科学講座消化器一般移植外科部門
3自治医科大学附属病院病理診断部・病理診断科
キーワード:
GIST
,
胃粘膜下腫瘍
,
GIMT
Keyword:
GIST
,
胃粘膜下腫瘍
,
GIMT
pp.110-111
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000377
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疾患の概要
消化管の粘膜下腫瘍(submucosal tumor:SMT)のうち線維組織,平滑筋組織,脂肪組織,リンパ組織などの間葉系細胞が腫瘍化したものを消化管間葉系細胞腫瘍(gastrointestinal mesenchymal tumor:GIMT)と総称する。そのうち,平滑筋や神経系への分化を示さないものをGIST(消化管間質腫瘍)とする。筋層間神経叢のCajal介在細胞から発生する紡錘形または類上皮細胞からなる。全消化管に発生するが,胃が60~70%ともっとも多い。本邦では,上部内視鏡で偶発的に発見される5cm以下で無症状の症例が多い1)。GISTを疑ったらEUS-FNABやボーリング生検を行う。HE染色だけでは平滑筋腫瘍や神経鞘腫との鑑別が困難なこともあり,免疫染色を追加して診断する。GISTの95%以上でKIT(c-kit遺伝子産物)を発現し,70~80%でCD34陽性となる。DOG1はGISTにおいてKITと同等の陽性率を示し,KIT陰性のGISTに対する相補的なマーカーとされる。なお,平滑筋マーカーであるDesminや神経系マーカーであるS100は陰性となる。
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