Japanese
English
今月の主題 胃粘膜下腫瘍の診断と治療
序説
胃粘膜下腫瘍の診断─過去,現在,そして未来
Introduction
長浜 隆司
1
Ryuji Nagahama
1
1千葉徳洲会病院消化器内科
キーワード:
胃粘膜下腫瘍
,
X線診断
,
内視鏡診断
,
EUS-FNA
,
GIST
Keyword:
胃粘膜下腫瘍
,
X線診断
,
内視鏡診断
,
EUS-FNA
,
GIST
pp.1259-1260
発行日 2017年9月25日
Published Date 2017/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201165
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
胃粘膜下腫瘍という名称は,「消化器内視鏡用語集」1)の定義では“粘膜よりも下方に存在する壁内病変により粘膜が挙上されて生じた隆起の総称”とされており,1930年代〜1940年代初頭にComfort2),Knetsch3),Scottら4),Schindlerら5),Casselら6)が胃の脂肪腫,胃線維腫,平滑筋腫などにsubmucosal tumor,submucous tumorなどの言葉を用いたことに端を発している.本邦では赤沢,信田ら7)が“手術前,胃粘膜下良性腫瘍と診断しえた胃脂肪腫の治験例”を報告したのが,胃粘膜下腫瘍という臨床診断名を用いた最初の報告であり,その診断については,1964年に,信田ら8)が当時の知見をまとめてTable 1の通り診断基準を定めている.
X線検査,内視鏡検査において,粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)の診断は比較的容易である.しかしながら,実際にはSMTのみならずSMT様の形態を呈するさまざまな疾患(Table 2)との鑑別診断が必要であり,おのおのの疾患についての形態学的特徴を十分に理解しておく必要がある.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.