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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅰ. 隆起を呈する病変
2. 上皮性・腫瘍性隆起病変
A. 亜有茎性・有茎性隆起
胃過誤腫ポリープ内癌(Peutz-Jeghers症候群)
Gastric cancer in hamartomatous polyp(Peutz-Jeghers syndrome)
清水口 涼子
1
,
飯塚 敏郎
2
,
堀口 慎一郎
3
Ryoko SHIMIZUGUCHI
1
,
Toshiro IZUKA
2
,
Shinichiro HORIGUCHI
3
1がん・感染症センター都立駒込病院消化器内科
2がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科
3がん・感染症センター都立駒込病院病理科
キーワード:
過誤腫
,
胃癌
,
Peutz-Jeghers症候群
Keyword:
過誤腫
,
胃癌
,
Peutz-Jeghers症候群
pp.76-77
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000360
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疾患の概要
Peutz-Jeghers症候群(Peutz-Jeghers syndrome:PJS)は食道を除く全消化管の過誤腫性ポリポーシスと口唇,口腔,指趾の色素沈着を特徴とし,STK11遺伝子の生殖細胞系列の病的バリアントを原因とした常染色体優性(顕性)遺伝性疾患である。PJSは,胃に24%,小腸に96%の割合でポリープが認められ,一般にポリープは10歳までに発症し,30歳までには腸閉塞や腸重積を発症すると考えられている。また,悪性腫瘍が若年時から高率に発生することが知られており,生涯における発癌リスクは,胃で29%,小腸で13%と一般集団に比較して高い1)。Peutz-Jeghers(PJ)ポリープの内視鏡所見は,有茎から亜有茎性でやや発赤調で分葉状・多結節状の形態を呈し,表面構造は管状から樹枝状構造が混在する。病理学的には粘膜上皮の過誤腫的過形成であり,粘膜筋板からの平滑筋線維束の樹枝状増生の所見を有する。PJSの消化管発癌経路として,PJポリープの直接の癌化,ポリープ内に発生した腺腫の癌化などの可能性が報告されている。
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