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特集 内視鏡データリファレンスブック2022
【臓器別】
胆道・膵臓
総胆管結石の治療:EPLBD
Treatment of common bile duct stones: EPLBD
朝井 靖二
1
,
祖父尼 淳
1
,
土屋 貴愛
1
,
石井 健太郎
1
,
田中 麗奈
1
,
糸井 隆夫
1
Yasutsugu ASAI
1
,
Atsushi SOFUNI
1
,
Takayoshi TSUCHIYA
1
,
Kentaro ISHII
1
,
Reina TANAKA
1
,
Takao ITOI
1
1東京医科大学臨床医学系消化器内科学分野
キーワード:
総胆管結石
,
EPLBD
,
結石除去術
Keyword:
総胆管結石
,
EPLBD
,
結石除去術
pp.797-801
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000175
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Ⅰ 治療の概要
内視鏡的乳頭ラージバルーン拡張術(endoscopic papillary large balloon dilation:EPLBD)は12mm以上の大口径バルーンを用いて胆管口を拡張させる手技であり,2003年にErsozら1)により初めて報告された。その報告によると,内視鏡的乳頭括約筋切開術(endoscopic sphincterotomy:EST)大切開後に通常のバスケットカテーテルやバルーンカテーテルでは除去困難であった58例の胆管結石症例に対してEPLBDを行ったところ,先細りを有する遠位胆管18例のうち16例(89%)で機械的砕石具(mechanical lithotripter:ML)を用いずに結石除去に成功しており,また,四角または樽型大結石の40例のうち38例(95%)でMLを用いずに結石除去に成功している。この報告以降,各国からEPLBDの報告が続き,本邦からはMinamiら2)が12mm以上の結石88例に対してEST小切開後に20mmバルーンによるEPLBDを施行し,胆囊管結石の1例を除く87例(99%)でMLを用いずに完全結石除去が可能であったと報告している。またItoiら3)はEPLBDを施行することにより,結石除去に対する手技時間の短縮が得られ,それが術者の放射線被曝時間の短縮につながったと報告している。これらの報告以降,本邦でも徐々にEPLBDによる結石除去の治療が広まっていき,2012年に保険収載されることとなった。
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