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特集 胆管狭窄に迫る―悪性との鑑別が問題となる良性胆管狭窄
胆管狭窄良悪性の鑑別診断―画像でどこまでわかるか?
POCS・PTCS
POCS and PTCS to differentiate benign and malignant biliary strictures
糸井 隆夫
1
,
祖父尼 淳
1
,
糸川 文英
1
,
栗原 俊夫
1
,
土屋 貴愛
1
,
石井 健太郎
1
,
辻 修二郎
1
,
池内 信人
1
,
梅田 純子
1
,
武井 和夫
1
,
森安 史典
1
Takao ITOI
1
,
Atsushi SOFUNI
1
,
Fumihide ITOKAWA
1
,
Toshio KURIHARA
1
,
Takayoshi TSUCHIYA
1
,
Kentaro ISHII
1
,
Shujiro TSUJI
1
,
Nobuhito IKEUCHI
1
,
Junko UMEDA
1
,
Kazuo TAKEI
1
,
Fuminori MORIYASU
1
1東京医科大学 消化器内科
1Department of Gastroenterology and Hepatology,Tokyo Medical University,Tokyo
キーワード:
POCS
,
PTCS
,
胆道狭窄
Keyword:
POCS
,
PTCS
,
胆道狭窄
pp.331-339
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100266
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要旨
胆管狭窄に対する胆道鏡による良悪性鑑別診断について解説した.胆管狭窄を呈する疾患には胆管由来,膵由来,あるいはその他のものがあり,狭窄の成因を理解することは胆道内視鏡診断を行ううえで極めて大切なことである.一般に,悪性狭窄では屈曲,蛇行する拡張血管が60~100%,乳頭状顆粒状粘膜が30~90%に認められるとされている.しかし,従来報告されているこうした所見は,術者の主観によるところが大きかった.こうした問題に対して,神谷らを初めとする胆道医が実体顕微鏡を用いて血管拡張径の計測を行ったり,屈曲蛇行した拡張血管を数値で表すフラクタル解析を行って客観化する試みが行われてきた.胆道内視鏡診断において最も重要な点は,こうした悪性狭窄を強く疑う所見は良性狭窄にも認められることがあるということである.したがって,こうした屈曲蛇行する拡張血管や乳頭状顆粒状粘膜が,悪性狭窄において「絶対的」な所見ではないことを認識しつつ,生検診断とも併せて良悪性鑑別診断を行うことが望ましい.
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