Japanese
English
特集 膵・胆管合流異常と胆囊病変
各論
胆囊病変に対する画像診断
The diagnosis of imaging for gallbladder disease
土屋 貴愛
1
,
糸井 隆夫
1
,
祖父尼 淳
1
,
糸川 文英
1
,
栗原 俊夫
1
,
辻 修二郎
1
,
石井 健太郎
1
,
池内 信人
1
,
梅田 純子
1
,
田中 麗奈
1
,
殿塚 亮祐
1
,
土田 明彦
2
,
粕谷 和彦
2
,
永川 裕一
2
,
青木 達哉
2
,
森安 史典
1
Takayoshi TSUCHIYA
1
,
Takao ITOI
1
,
Atsushi SOFUNI
1
,
Fumihide ITOKAWA
1
,
Toshio KURIHARA
1
,
Shujiro TSUJI
1
,
Kentaro ISHII
1
,
Nobuto IKEUCHI
1
,
Junko UMEDA
1
,
Rena TANAKA
1
,
Ryosuke TONOZUKA
1
,
Akihiko TSUCHIDA
2
,
Kazuhiko KASUYA
2
,
Yuichi NAGAKAWA
2
,
Tatsuya AOKI
2
,
Fuminori MORIYASU
1
1東京医科大学 消化器内科
2東京医科大学 消化器外科
1Department of Gastroenterology and Hepatology,Tokyo Medical University Hospital
2Department of Gastroenterological Surgery,Tokyo Medical University Hospital
キーワード:
膵・胆管合流異常
,
胆囊粘膜過形成
,
胆囊癌
,
胆囊腺筋腫症
,
画像診断
Keyword:
膵・胆管合流異常
,
胆囊粘膜過形成
,
胆囊癌
,
胆囊腺筋腫症
,
画像診断
pp.481-489
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100439
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要旨
膵・胆管合流異常は胆囊癌のリスクファクターであり,成人における胆囊癌発生率は胆管拡張型で14.4%,非拡張型で39.1%と非常に高い.これまで報告されている合流異常に合併する胆囊病変は非腫瘍性病変では粘膜過形成,過形成性ポリープ,胆囊腺筋腫症,胆石などが,腫瘍性病変では腺腫,腺癌,腺内分泌細胞癌などがあるが,いずれも膵・胆管合流異常以外でもしばしば認められる病変であり画像診断上で胆囊病変そのものから膵・胆管合流異常の有無を診断することは困難である.しかしこれら胆囊病変のうち粘膜過形成は膵・胆管合流異常に比較的特徴的とされており,病理組織学的にも分子生物学的にも前癌病変の可能性が指摘されている.したがって,この過形成変化を画像で捉えることは前癌病変を拾い上げるという意味でもきわめて重要である.通常,過形成粘膜はUSやEUSではびまん性で均一な胆囊壁内側低エコー層の肥厚として捉えられることができる.しかし,過形成粘膜の一部に上皮内癌が存在する場合などは現存の画像診断では指摘困難であり,胆汁細胞診に匹敵するような細胞レベルでの画像診断の発展が期待される.
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