12．総胆管結石・急性胆管炎

近年，わが国では高齢化が進み，胆膵内視鏡診療においても高齢者の割合が増加傾向にある．一般に高齢者は症状が目立たず，非典型的な症状のみを呈することもあるため診断が難しい．さらに基礎疾患をもつ症例が多く，加齢による体力や免疫力の低下などによって病態が急速に進行する傾向にあることから治療に困難を伴うことが多い．わが国では総胆管結石の診断・治療については多くのエビデンスが蓄積され，標準的な診断法および治療法が確立されつつある．高齢者においては抗血栓薬・抗凝固薬を内服している症例，全身状態が不良な症例が多く留意すべき点はあるが，基本的には若年者と同様の治療が可能であると考えられる．