Japanese
English
特集 胃癌内視鏡診断の最新ムーブメント―H. pylori陰性胃癌のすべて
[各論 H. pylori除菌後胃癌]
除菌後浸潤胃癌
Invasive gastric cancer after H. pylori eradication
小林 正明
1
,
北條 雄暉
1
,
丹羽 佑輔
1
,
高橋 祥史
1
,
今井 径卓
1
,
塩路 和彦
1
,
藪崎 裕
2
,
中川 悟
2
,
渡邉 玄
3
Masaaki Kobayashi
1
,
Yuki Hojo
1
,
Yusuke Niwa
1
,
Yoshifumi Takahashi
1
,
Michitaka Imai
1
,
Kazuhiko Shioji
1
,
Hiroshi Yabusaki
2
,
Satoru Nakagawa
2
,
Gen Watanabe
3
1新潟県立がんセンター新潟病院内科
2新潟県立がんセンター新潟病院消化器外科
3新潟県立がんセンター新潟病院病理診断科
キーワード:
遡及的検討
,
未分化型
,
胃粘膜萎縮
Keyword:
遡及的検討
,
未分化型
,
胃粘膜萎縮
pp.190-196
発行日 2022年2月25日
Published Date 2022/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000039
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
近年,Helicobacter pylori(H. pylori)除菌治療による胃癌の抑制効果は限定的であることから,除菌後の内視鏡定期検査の必要性が強調されている1)。除菌後胃癌の多くは分化型粘膜内癌であり,発育は比較的緩徐で発見が遅れても内視鏡的に根治できることが多い2, 3)。しかし,浸潤癌として発見され外科手術を要する病変もあり,その対策が課題となっている3~5)。除菌後胃癌は多彩であり,すべての病変を的確に発見することは容易ではないが,除菌介入後は,内視鏡治療が可能な段階で発見することが望ましく,少なくとも外科手術で根治できる段階で発見することが内視鏡医の責務である。除菌後に浸潤した段階で発見された場合,フォローアップの中断など,定期検査の不備を認めることが多いが5),定期的に内視鏡検査を行っていた症例でも経験する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.