特集 除菌後時代を迎えた胃癌診療 ―残された課題を巡って
1 .除菌後胃癌を巡る課題(4)除菌後胃癌のハイリスク
井口 幹崇
1
,
瀧 真也
1
,
伊藤 大策
1
,
吉田 岳市
1
,
前北 隆雄
1
,
北野 雅之
1
1和歌山県立医科大学第2 内科
キーワード:
Helicobacter pylori
,
除菌
,
胃癌
,
リスクファクター
,
胃粘膜萎縮
Keyword:
Helicobacter pylori
,
除菌
,
胃癌
,
リスクファクター
,
胃粘膜萎縮
pp.1465-1470
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001421
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Helicobacter pylori は胃癌の確実な発癌因子と位置づけられており,除菌治療は重要ながん予防の手段である.しかし成人において,除菌成功後も胃癌のリスクはゼロにはならず,除菌適用が拡大され既感染例が増加する現在,除菌後胃癌リスクを理解しておくことは重要である.萎縮の進行とともに胃癌リスクは上昇することから,除菌後のリスク軽減効果も一定ではなく,その時点での萎縮の程度が大きく影響することが予想される.内視鏡所見や病理所見,血清マーカーにより背景胃粘膜の萎縮の程度を把握し,個々のリスクを想定しながら経過観察することが重要である.
Copyright © 2020, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.