特集 除菌後時代を迎えた胃癌診療 ―残された課題を巡って
1 .除菌後胃癌を巡る課題(1)H. pylori 除菌後10 年以降の胃癌リスク
水野 元夫
1
,
武 進
2
,
石木 邦治
3
,
岡田 裕之
4
1倉敷中央病院消化器内科
2福渡病院内科
3日本鋼管福山病院内科
4岡山大学病院消化器肝臓内科
キーワード:
H. pylori
,
除菌治療
,
未分化型胃癌
,
胃粘膜萎縮
Keyword:
H. pylori
,
除菌治療
,
未分化型胃癌
,
胃粘膜萎縮
pp.1409-1414
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001413
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H. pylori 除菌は胃癌リスクを低下させるが,除菌後長期にわたる胃癌リスクの変化については明らかにされてない.われわれは,除菌成功後年1 回の内視鏡フォローを行っているコホート2,732 名を対象に,除菌後10 年までと10 年以降の胃癌リスクについて,除菌時の胃粘膜萎縮の程度,胃癌の組織型別に比較検討した.除菌後の胃癌リスクは,除菌時胃粘膜萎縮高度例でもっとも高いが,経過が長くなると,萎縮の軽度~中等度症例では未分化型胃癌のリスクが増加することが明らかとなった.したがって,除菌後は除菌時の胃粘膜萎縮の程度にかかわらず,長期にわたる内視鏡フォローが必要である.
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