特集 慢性胃炎を再考する
5 .除菌後胃粘膜所見の経時的変化
兒玉 雅明
1,2
,
沖本 忠義
2
,
水上 一弘
2
,
小川 竜
2
,
岡本 和久
2
,
村上 和成
2
1大分大学福祉健康科学部
2大分大学医学部消化器内科
キーワード:
ヘリコバクター・ピロリ
,
除菌治療
,
胃粘膜萎縮
,
腸上皮化生
,
胃癌
Keyword:
ヘリコバクター・ピロリ
,
除菌治療
,
胃粘膜萎縮
,
腸上皮化生
,
胃癌
pp.1577-1583
発行日 2019年11月20日
Published Date 2019/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000987
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Helicobacter pylori(H. pylori)除菌により胃粘膜は大きく変化を示す.短期的にはびまん性発赤,点状発赤,皺襞腫大などが消失し,地図状発赤出現をみる場合もある.これによりH. pylori現感染,既感染,未感染を判断することが胃癌リスク評価のため必要である.除菌長期経過後は胃粘膜萎縮と腸上皮化生の変化があり,多くの報告がなされている.前庭部体部でも萎縮は改善を認めるとするものが多い.腸上皮化生は相反する結果が見られ,除菌による増悪の抑制はされても改善までは見られないとされる.最近の報告では,腸上皮化生も改善が見られるものの萎縮よりは時間を要すとされている.除菌後胃癌リスク評価に向けて萎縮・腸上皮化生の変化をより詳細に観察する必要がある.
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