特集 消化管悪性リンパ腫のすべて
臨床医が知っておくべき悪性リンパ腫の免疫染色と遺伝子検査
田中 健大
1
,
田端 哲也
1岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科病理学
キーワード:
NK細胞
,
腫瘍バイオマーカー
,
鑑別診断
,
免疫組織化学
,
リンパ腫
,
リンパ腫-B細胞性
,
リンパ腫-T細胞性
,
遺伝学的検査
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Immunohistochemistry
,
Killer Cells, Natural
,
Lymphoma
,
Genetic Testing
,
Lymphoma, B-Cell
,
Lymphoma, T-Cell
,
Biomarkers, Tumor
pp.821-828
発行日 2021年5月25日
Published Date 2021/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021243036
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悪性リンパ腫の診断はHE染色標本による組織所見ならびに免疫染色による検討が必須であるが、それですべてが解決できるものではない。EBウイルスやHTLV-1ウイルスのようなリンパ腫の発生に関与するウイルスの検索が必要となる場合もあるし、Burkittリンパ腫のように遺伝子転座の検索が必須となる場合やMYD88の変異のように特定の遺伝子変異が診断上重要となるものもあり、免疫染色を含めた組織診断だけでは確定診断に至らない状況が生じてきており、生検材料をホルマリン瓶に入れて病理検査室に提出するだけでは不十分なことが起こりうる。診断に必要な検討を過不足なく行うには、ホルマリン固定組織、冷蔵状態の生組織、凍結組織の3つの検体が必要である。
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