特集 消化管悪性リンパ腫のすべて
消化管原発悪性リンパ腫概論 病型分類と内視鏡所見の特徴
田利 晶
1
,
吉野 正
1公立学校共済組合中国中央病院 消化器内科
キーワード:
胃腸腫瘍
,
消化管内視鏡法
,
リンパ腫
,
病態生理
,
WHO分類
Keyword:
Lymphoma
,
Gastrointestinal Neoplasms
,
Endoscopy, Gastrointestinal
pp.829-837
発行日 2021年5月25日
Published Date 2021/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021243037
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消化管原発リンパ腫の病型分類および組織分類は、血液リンパ系疾患WHO分類改訂第4版、消化器系腫瘍WHO分類第5版に従う。病理組織型により浸潤する消化管の部位に特徴がある。また、発生する解剖学的部位によって特異的な病理組織像、臨床的特徴、進展様式があり、基本的な診断名を共有しても発症年齢や解剖学的部位が違えば異なる病態や予後を示し、治療戦略が異なる。本邦ではB細胞性が圧倒的に多く、その大半が非Hodgkinリンパ腫である。組織型はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の頻度が最も高く、消化管のさまざまな部位に発生するリンパ腫の55~69%を占め、MALTリンパ腫とあわせると70~80%を占める。NK/T細胞性は稀である。発生部位は胃が50~60%を占め最も多く、次いで小腸原発が30%、大腸(結腸、直腸)は3~10%で、食道に発生するものは稀である。肉眼形態は多彩であるが、病型とある程度対応している。本稿では代表的な内視鏡所見を提示する。
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