発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005253137
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染色体分析の目的は,ゲノム全体を形態学的に解析し,腫瘍化初期の異常を同定することにある.腫瘍細胞の染色体異常を解釈するには,細胞に異常が起きる部位と異常細胞が増殖する部位に分けて考察する必要がある.B前駆細胞腫瘍は,キメラ蛋白産生型で,骨髄性白血病の病型もとりうる場合と免疫グロブリン遺伝子再構成前のリンパ球分化関連遺伝子の転座よりなる.T前駆細胞腫瘍は,脱制御型でT細胞受容体と転座する.B細胞リンパ腫は脱制御型の異常で,免疫グロブリン遺伝子と転座する.T細胞の染色体転座はきわめて多様でキメラ蛋白産生型である.Hodgkinリンパ腫では,2倍体細胞は正常核型で多倍体細胞にのみ染色体異常を認める
©Nankodo Co., Ltd., 2005