症例
左上肢可動域制限を主訴に発見された化膿性肩関節炎/上腕骨骨髄炎の1例
清水 聡一郎
1
,
植松 悟子
,
阿南 揚子
,
江口 佳孝
,
窪田 満
,
石黒 精
1国立成育医療研究センター 教育研修センター
キーワード:
Ampicillin
,
Streptococcus pyogenes
,
X線診断
,
肩関節
,
関節炎-感染性
,
関節可動域
,
骨髄炎
,
MRI
,
上腕骨
,
連鎖球菌感染症
Keyword:
Arthritis, Infectious
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Streptococcus pyogenes
,
Humerus
,
Osteomyelitis
,
Range of Motion, Articular
,
Radiography
,
Streptococcal Infections
,
Ampicillin
,
Shoulder Joint
pp.1693-1696
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021151458
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4ヵ月男児。発熱を主訴とした。白血球数増加およびCRP高値が認められ、前医入院となった。尿路感染症としてセフォタキシムを投与された。清拭の際に左肩の腫脹に気づかれ、MRIにて左肩関節炎および上腕骨骨髄炎と診断されたため、治療目的で当院転院となった。左肩から前腕近位まで、顕著な発赤・腫脹・熱感を認め、上肢運動は左右差と左上肢の自発運動の低下を認めた。上肢X線写真では、左上腕骨近位骨端線の解離と内側への転位および皮下組織の腫脹を認めた。上肢単純MRIでは、T2で左上腕骨骨髄の高信号および肩関節へ波及した膿瘍形成像を認めた。左肩関節から穿刺された血性膿は、グラム陽性球菌が検出されたため、セファゾリン静脈投与を開始し、左化膿性肩関節掻爬術を施行した。術後、肩関節穿刺液の培養からA群溶連菌が検出され、アンピシリンの経静脈投与へ変更したところ、局所所見と炎症所見が改善した。アモキシシリンに内服を変更し、入院17日目に退院した後も抗菌薬内服治療を継続した。術後1ヵ月までには、左上肢の挙上が可能となり、運動の左右差も消失した。
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