臨床室
化膿性肩関節炎との鑑別を要したリウマチ性多発筋痛症の1例
伊藤 博紀
1
,
佐藤 毅
,
久保田 均
,
安藤 滋
,
岩本 陽輔
,
宮腰 尚久
,
島田 洋一
1山本組合総合病院 整形外科
キーワード:
Prednisolone
,
X線診断
,
肩関節
,
関節炎-感染性
,
リウマチ性多発筋痛症
,
MRI
,
鑑別診断
Keyword:
Arthritis, Infectious
,
Diagnosis, Differential
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Polymyalgia Rheumatica
,
Prednisolone
,
Shoulder Joint
pp.1159-1162
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016081670
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73歳男。誘因なく左肩関節痛が増強し、安静時痛を認めたため、当科を初診した。初診時、単純X線では明らかな異常所見はなく、肩関節周囲炎として肩峰下滑液包内へメピバカイン塩酸塩、リン酸デキサメタゾンナトリウムの注射を行った。注射後から徐々に肩痛が増悪したため初診4日後に再診し、炎症反応の上昇を認め、化膿性肩関節炎を疑い関節穿刺を試みたが、関節液は吸引できず、抗生物質投与を開始し、初診9日後に精査入院となった。その後も炎症反応は改善せず、左肩痛が持続し、さらに右肩痛、後頸部痛や朝のこわばりも出現した。リウマトイド因子やCCP抗体は陰性であったが、臨床経過や肩関節MRI所見より、リウマチ性多発筋痛症を疑い、プレドニゾロンの投与を開始したところ、炎症反応の陰性化および疼痛の軽快が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015