症例
有熱時のけいれんで発症し、くる病による低カルシウム血症が判明した1例
阪井 彩香
1
,
近井 隼人
,
川野邊 宥
,
清水 信隆
1焼津市立総合病院 小児科
キーワード:
X線診断
,
くる病
,
低カルシウム血症
,
発熱
,
けいれん性発作
,
Alfacalcidol
,
Calcium Lactate
Keyword:
Hypocalcemia
,
Fever
,
Rickets
,
Seizures
,
Radiography
,
Alfacalcidol
,
Calcium Lactate
pp.1689-1692
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021151457
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1歳6ヵ月男児。有熱時のけいれん群発を主訴とし、経過観察目的で入院となった。入院後から嘔吐やふらつきが出現し、精査を行ったが、明らかな異常は認めなかった。入院時の検査結果を振り返り、再度、追加問診と精査を行ったところ、ALP異常高値と低Ca血症に気付いた。身体診察では、右手を駆血すると、手首が屈曲し、第2指が伸展・母指球筋が屈強する徴候を認めた。画像所見では、手関節・膝関節にcupping、frayingを認め、下肢も同様に、くる病に特徴的な所見を認めた。追加問診では、日中の外出が1ヵ月に3時間程度と極端に少なく、1歳過ぎから身長の増加率が緩慢となった。生活歴・食歴・検査所見などから、日光不足によるビタミンD欠乏性くる病を疑った。カルチコール及びアルファカルシドールと乳酸カルシウム水和物の内服を開始したところ、速やかに改善を認めたことから、ビタミンD欠乏性くる病と診断した。
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