症例
肝膿瘍に対し経皮的ドレナージが有用であった慢性肉芽腫症の1例
藤田 雄治
1
,
照井 エレナ
,
澤田 大輔
,
林 美幸
,
高田 展行
,
木下 香
,
有馬 孝恭
,
四本 克己
,
諏訪部 信一
1国保直営総合病院君津中央病院 小児科
キーワード:
BCGワクチン
,
Cefaclor
,
Cefazolin
,
C-Reactive Protein
,
ドレナージ
,
Staphylococcus aureus
,
腋窩
,
肝膿瘍
,
肉芽腫症-慢性
,
ブドウ球菌感染症
,
予防接種
,
リンパ節炎
,
インターベンショナル超音波診断
,
腹部CT
Keyword:
Axilla
,
C-Reactive Protein
,
BCG Vaccine
,
Drainage
,
Lymphadenitis
,
Liver Abscess
,
Granulomatous Disease, Chronic
,
Vaccination
,
Cefaclor
,
Cefazolin
,
Ultrasonography, Interventional
,
Staphylococcal Infections
,
Staphylococcus aureus
pp.705-708
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020305533
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症例は2歳男児で、発熱が続き、精査加療目的に入院となった。迅速抗原検査では咽頭A群溶連菌が陽性となり、入院後A群溶連菌による咽頭炎と考え、アンピシリンを静注開始した。入院4日目血液検査でCRPは低下傾向であったが、発熱が続いたため、熱源精査目的に腹部超音波検査を行ったところ肝に被膜におおわれた3.3×2.3cmの腫瘤を認めた。腹部造影CT検査を行い、肝膿瘍の診断となり、抗菌薬をメロペネム+リネゾリドへ変更した。また左腋窩リンパ節の石灰化を認め、BCG接種によるリンパ節炎からのものと考える所見であった。CRPはその後も低下傾向であったが、弛張熱が続きCRPも横ばいとなったため、入院10日目に超音波ガイド下に経皮的膿瘍ドレナージを行った。吸引された膿の細菌培養検査よりメチシリン感受性黄色ブドウ球菌を認め、入院13日目にセファゾリンに変更した。その後解熱が得られ、CRPも陰性化したことを確認し、入院32日目にセファクロル内服へと変更し、退院となった。後日、好中球殺菌能3.3%、活性酸素産生が0%であり、遺伝子検査でCYBB遺伝子に変異を認めたことからX連鎖慢性肉芽腫症の診断となった。
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