症例
骨盤内の石灰化病変を契機に診断された尿管瘤の1例
森澤 和美
1
,
細川 真弓
,
明石 真幸
,
吉田 史子
,
佐藤 清二
1さいたま市立病院 小児科
キーワード:
砕石術
,
MRI
,
超音波診断
,
尿管結石
,
尿管瘤
,
尿管鏡法
,
偶発的発見
Keyword:
Ureterocele
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Ultrasonography
,
Lithotripsy
,
Ureteroscopy
,
Ureteral Calculi
,
Incidental Findings
pp.702-704
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020305532
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症例は4歳男児で、誘因なく股関節痛で歩行困難となり、翌日当院整形外科を受診した。腹部単純X線写真で骨盤内に石灰化病変と考えられる異常陰影が認められた。超音波検査から右脈管瘤内の結石と考えられ、MRI画像から腫瘍性病変ではないと考えられた。排尿時膀胱尿道造影検査では膀胱尿管逆流を認めず、99mTc-DMSAでは両腎ともに集積が保たれ腎瘢痕は認められなかった。一方、ウロフロメトリーでは尿流量の低下が認められた。単純性尿管瘤と診断され、結石形成をしていることから今後尿路感染症のリスクがあること、ウロフロメトリーで最大尿量の低下があり無自覚だが尿線中断の症状があることから手術の適応と判断し、経尿道的瘤切開術、経尿道的砕石術を施行した。結石分析の結果、シュウ酸カルシウムが98%、リン酸カルシウムが2%であった。
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