症例
ナシ摂取後に重篤な喘息発作を起こした1例
続木 康伸
1
1アルバアレルギークリニック
キーワード:
Salbutamol
,
Epinephrine
,
果実
,
過敏症-食品性
,
喘息
,
皮膚テスト
,
臨床的増悪
,
梨
Keyword:
Asthma
,
Epinephrine
,
Food Hypersensitivity
,
Fruit
,
Clinical Deterioration
,
Skin Tests
,
Albuterol
pp.709-711
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020305534
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症例は7歳男児で、ナシを食べていると咽頭痛があり、直後から呼吸苦、咳、喘鳴が出現した。すぐに会話も困難になるほど喘鳴が増悪したため、当院に救急搬送となった。救急医によりエピネフリン0.3mg筋注とベネトリン吸入2回が施行され、呼吸苦・喘鳴は軽快した。入院後も再増悪は認めず、翌日退院となった。その後精査目的にて当院紹介となった。特異的IgEは、ハンノキ44.8UA/mL、シラカンバ67UA/mL、洋ナシ0.47UA/mL、リンゴ1.8UA/mL、モモ6.16UA/mLであり、そのほかに有意な所見は認めなかった。生の果物によるprick to prickテストは、バラ科果物を含めてほとんどが陽性であり、ナシは紅斑16×16mm、膨疹5.6×5.6mmであった。ナシ負荷試験は本人・家族ともに希望なく、これまでの結果からナシアレルギーが誘因となった気管支喘息大発作と診断した。果物全般について完全除去を希望され、その後の症状は認めていない。果物アレルギー以外のアレルギー疾患に関してはすべて治療を希望され、気管支喘息を含めて現在のコントロール状態は良好である。
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