症例
健康小児に発症した帯状疱疹髄膜炎の1例
柿沼 智彦
1
,
熊野 麻美
,
吉野 智美
,
津田 英夫
1福井県立病院 小児科
キーワード:
Aciclovir
,
髄膜炎-ウイルス性
,
帯状疱疹
Keyword:
Meningitis, Viral
,
Herpes Zoster
,
Acyclovir
pp.643-645
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2019218117
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
アシクロビル(ACV)単剤治療を行い、治療後に髄液中の水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)陰性化までを確認できた帯状疱疹合併症として髄膜炎を発症した15歳男児の症例を報告した。受診1週間前より浮腫性紅斑が出現した。受診前日より38℃台の発熱と頭部全体に強い疼痛と嘔気が出現し、皮膚科を受診し、帯状疱疹と診断されたが、髄膜炎の合併が疑われ、当院紹介入院となった。入院時検査所見により帯状疱疹およびVZVによる無菌性髄膜炎と診断され、ACV 30mg/kg/日の静脈内投与を14日間行った。治療開始後速やかに解熱し、5日目に頭痛・嘔気も消失した。14日目にMRIを再施行し、経過中の脳炎を疑わせる所見がないことを確認した。15日目に髄液検査施行し、細胞数31/3μlと所見が改善していることを確認し、退院とした。治療15日目の髄液VZV-DNAは100copies/ml以下と陰性であったことを確認した。
Copyright© 2019 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.