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腹筋麻痺をきたした帯状疱疹の1例
大浪 宏介
1
,
荒木 勇太
,
阿部 優子
,
鈴木 民夫
1山形大学 皮膚科学講座
キーワード:
Aciclovir
,
腹筋
,
帯状疱疹
,
麻痺
,
静脈内注入
,
腹部CT
Keyword:
Abdominal Muscles
,
Acyclovir
,
Herpes Zoster
,
Infusions, Intravenous
,
Paralysis
pp.1336-1337
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355265
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66歳男。発熱と右腰部痛を主訴とした。前日より38℃台の発熱があり、右腰部を中心に疼痛を伴う水疱と紅斑が出現した。右腰部に帯状に集簇した水疱、紅斑、痂皮を認め、前胸部、背部、下腿屈側に中心陥凹を伴う水疱が数個みられた。汎発性帯状疱疹と診断し、入院となった。採血で腎機能の低下を認め、アシクロビルの点滴を1回250mgの1日2回投与に調製して治療を開始した。皮疹は徐々に痂皮化し、疼痛も改善した。入院から8日後に退院となったが、発症後21日より治療部位に一致して腹部の膨隆が出現し、便秘を伴った。腹部造影CTで内外腹斜筋や腹横筋の分布に左右差を認め、右側で菲薄化がみられた。筋が菲薄化した部分で肝下縁や腸管、腹腔内の脂肪組織が軽度膨隆していた。以上より、帯状疱疹による腹筋麻痺と診断した。便秘症状は内服加療で改善したが、腹部膨隆は7ヵ月経過時まで消失せず、その後は通院を自己中断されている。
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