症例
ムンプスワクチン接種後に発症した可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症の1例
岡本 清二
1
,
池田 聡子
,
植西 智雄
,
清益 功浩
1大和高田市立病院 小児科
キーワード:
ムンプス
,
MRI
,
脳梁
,
予防接種
,
ムンプスワクチン
,
脳炎-ウイルス性
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Mumps
,
Mumps Vaccine
,
Vaccination
,
Corpus Callosum
,
Encephalitis, Viral
pp.640-642
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2019218116
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ムンプスワクチンによる可逆性脳梁膨大部病変を有する脳炎・脳症(MERS)の12歳7ヵ月男児の症例を報告した。受診2日前に発熱、頭痛、嘔吐があり、1日前に近医受診し、発熱が持続することにより受診、入院となった。入院後、深夜に起き、突然眼球を左右に素早く動かし、手足を大きくばたつかせる動き、鼻を気にする動きがみられ、5分以内に治り、意識は回復した。入院翌日に髄液検査および頭部MRIを施行し、MERSと診断した。髄液中のヘルペスウイルス遺伝子検査およびムンプスウイルス遺伝子検査を行い、奈良県保険研究センターでも髄液の検査が施行された。アシクロビル30mg/kg/日で治療を開始し、入院7日目にヘルペスウイルス遺伝子陰性のため中止、入院8日目に退院となった。受診20日前に水痘ワクチン2回目、ムンプスワクチン1回目を施行していた。ムンプスワクチンは3歳未満で初回接種が推奨され、定期接種の必要性があると考えられた。
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