症例
ビタミンB6療法が奏効したWest症候群
牛牧 史子
1
,
吉田 登
,
安部 信平
,
中澤 友幸
,
大友 義之
,
新島 新一
,
清水 俊明
1順天堂大学医学部附属練馬病院 小児科
キーワード:
てんかん-点頭
,
大量薬物療法
,
Vitamin B6
,
脳波
Keyword:
Spasms, Infantile
,
Vitamin B 6
,
Brain Waves
pp.636-639
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2019218115
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生後4~8ヵ月に好発する年齢依存性てんかん症候群であるWest症候群の6ヵ月男児にビタミンB6療法が奏功した症例を報告した。日齢6に新生児高ビルビリン血症に対し光線療法を24時間施行した。日齢9の染色体検査でDown症候群と診断された。5ヵ月時に頭部を前屈させ、両上肢を屈曲させる動きが出現し、West症候群が疑われ、精査・加療目的で入院となった。脳波でWest症候群と診断し、ビタミンB6 30mg/kg/日の内服を開始し、3日ごとに10mg/kg/日ずつ増量した。内服開始日より発作は消失した。ビタミンB6を50mg/kg/日まで増量した。内服開始9日目施行した脳波検査で所見の改善が認められ、内服を同量で継続し退院とした。副作用と考えられる軽度の肝機能障害を認めたが、増悪はなかった。退院後、発作の再燃は認めず経過し、ビタミンB6を漸減し、9ヵ月後現在の時点で寛解を維持している状態となった。
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