症例
発症3日目でACTH療法を開始し、長期知的予後が良好である潜因性West症候群の1例
岡本 健太郎
1
,
伊藤 正範
,
城賀本 敏宏
,
元木 崇裕
,
中村 泰子
,
福田 光成
1愛媛県立今治病院 小児科
キーワード:
ACTH
,
てんかん-点頭
,
脳波記録法
,
Zonisamide
,
発達検査
Keyword:
Spasms, Infantile
,
Zonisamide
,
Electroencephalography
,
Adrenocorticotropic Hormone
pp.1054-1058
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2019300648
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5ヵ月男児。眼球を上転し、頭部を前屈させる発作を主訴とした。epileptic spasm発作出現から2日後に紹介入院し、発作間欠期脳波にてhypsarrhythmiaを認めたが、発症までの精神運動発達は正常で、知的退行はみられなかった。頭部CT検査や血液検査で原因となる疾患は認めず、潜因性West症候群と診断して発症3日目より連日ACTH 0.0125mg/kg/日の筋肉注射を開始した結果、開始3日後より脳波の改善がみられ、開始10日後に発作は消失し、開始12日後には脳波が正常化した。ACTHは2週間連続投与した後、減量中止し、開始12日目よりゾニサミド内服を開始したが、以後も発作はみられず、5歳時点の知的予後は良好である。潜因性West症候群の治療方針として、早期発見と早期のACTH療法開始が考慮されうることが示唆された。
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